2007年から現在まで、小さな美術スクール校舎でカンボジアの子ども達のための無料(指導費、画材・教材費完全無料)の美術スクール活動を実施。現人数25人〜35人年齢層9歳〜26歳
★付記−カンボジアでの活動は主宰を含めたスタッフ3名でやっており、ボランディア0名。
[美術授業]
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美術教育活動の対象生徒は、カンボジア人のみとしており、スクールでの近隣の子ども対象の授業以外に、国内外の支援団体やNGOからの依頼で、現在、2つのコミュニティーセンター、2つの孤児院、3つの公立小学校、2つの国際NGO団体に属する子ども達(約300名)に年間約200回以上の美術授業を継続的に実施。
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WAfC の要請により、カンボジアの辺境の地ラタナキリ州や絵筆を握った事がない子ども達のためにプレーヴェン州の小学校で美術教育を行った。
[展示会実施]
支援団体やホテル等からの絵画展示の依頼を受け、日本では主に関東、カンボジアではプノンペンとシェムリアップでの展示会を実施。
[コンテスト応募]
国内外のアートコンテストに応募し、過去にアメリカ、メキシコ、日本、カンボジアにて、入選、入賞した。アメリカの国際コンテストでは、応募初年2011年から2014年まで毎年入選。
[デザイン提供]
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アメリカの映画会社主催のアンコール国際映画祭やKDDI財団が実施するカンボジア支援のチャリティーコンサート、スイスNGOへのポスターやクリスマスカード等へのデザインを提供。
ドイツのNGO gizの要請により、カンボジアクラフトに描くデザインを提供。農村部女性の自立支援のため、アートワークショップを行い、女性達の経済的自立支援を行った。
カンボジア、シェムリアップに無料の美術スクールを開校したきっかけ
高校3年生の進路選択時、自分の人生の最後に何をしたら納得できる人生になるかを考えたことが、この無料の美術スクール開校につながったと思います。その当時は、「アジアの貧しい子ども達を応援する何かをしよう」程度の漠然とした考えでしたが、この思いは心の奥深くに芯として残り、都立高校の美術科教員として働き出してから、美術表現を通してアジアの子ども達と関わって行こうと云う具体的考えになりました。教員になって10数年過ぎた或る日、若い時描いた人生を具体化しようと決心し、教員を辞めるまでの約20年間資金作りをし、同時にスクール建設の候補地を探しました。ネパール、インドも候補地でしたが、最終的にカンボジアを選びました。カンボジアは、ポルポト政権下で多くの芸術家や教師が虐殺されてしまい、いろいろな分野で指導する教師がいないと知り、私の能力を活かせるのではないかと考え、カンボジアに決めました。私は第二次大戦後すぐの日本に生まれたものですから、カンボジアの子ども達が置かれている状況をある程度推測できました。2007年に建築を開始し、2008年12月に、画材費、教材費、指導費等が完全無料の美術スクールをスタートさせました。主な活動内容、目的は、美術表現と日本語の指導ですが、困窮した家庭や子どもの生活支援、学業支援活動も行っております。カンボジアは教育科目の中に美術がありませんので、多くの子ども達は絵筆を握ったことがありません。人間が成長する過程で、絵を描くことは人間として自然な行為と思いますが、カンボジアの子ども達の多くは絵を描く環境がないため、絵を描く経験をすることができません。子ども時代に「子どもの時」を豊かに過ごし、知的好奇心を少しでも満足できる環境を提供し、貧しい家の子ども達が少し収入を得られることも願って活動しています。また、貧しい家庭の子どもは授業料を払って外国語を学ぶことができません。外国語ができることはこの国で職業に就ける重要な能力ですので、貧しいために外国語学習をあきらめている子ども達に日本語を学ぶ環境を提供し、彼らが将来、職を手にできるようにと願って活動しています。
目指している目標
子ども美術館を作ることです。シェムリアップはアンコールワットなどの遺跡が数多くあり、多くの観光客が世界各国から遺跡観光に訪れますが、文化的環境は国立博物館が一つあるだけで美術館等の施設ががありません。子ども美術館ができれば、現在のカンボジアの人々の生活や子どもの置かれている状況もわかり、遺跡観光だけではないカンボジアを深く知るきっかけになるのではないかと思います。また、貧しくても笑顔を絶やさず懸命に生きている子ども達が描く作品は、訪れる人にとっても何かの学びになるのではないかと考えます。
ここで学び成長した子ども達が指導者となって、後続する子ども達を教育支援し、支援の循環を作り、貧しく生まれても、自分の能力を養成できる場が常にあるようにしたいと思います。また、農村部への出張授業も成長した子ども達が行えば、より多くのカンボジアの子ども達が絵を描く環境ができるようになるのではないかと考えています。
今、抱える課題
① スクール運営課題としては、大きな課題が次の3項目です。
・ 当初想定した生徒人数40名を大きく超え、現在、約350名の子ども達が学んでいます。それに伴い、画材等の出費が多くな
り、個人資金で賄って行くのが難しくなっており、活動をどうやって継続させられるか。
・ ここで学び、成長してゆく生徒たちの将来の展望をどうやって開くことができるか。
・ 一人で考え、一人で始めたスクールですが、この活動に共鳴し、活動を懸命に支えてくれているスタッフが二人います。こ
れから彼ら二人がこの活動を継承し、子ども達の未来の扉を開く支援をしてゆきますが、どのようにしたら、彼らの生活が
成り立つようにできるか。
② 活動の課題
スクールがシェムリアップ市内にありますため、市内に住む子ども達には学習環境を提供できていますが、農村部の子ども
達は週一回あるいは月一回の授業しか受けることができません。農村部の子ども達が未来の扉を開けられる環境作りをどの
ようにするか。